原子力災害対策指針 (安定ヨウ素剤関連部分)

第2 原子力災害事前対策

(7)被ばく医療体制の整備

③ 安定ヨウ素剤予防服用の体制

(ⅰ)安定ヨウ素剤の予防服用について
放射性ヨウ素は、身体に取り込まれると、甲状腺に集積し、数年~十数年後に甲状腺がん等を発生させる可能性がある。このような内部被ばくは、安定ヨウ素剤をあらかじめ服用することで低減することが可能である。このため、放射性ヨウ素による内部被ばくのおそれがある場合には、安定ヨウ素剤を服用できるよう、その準備をしておくことが必要である。 ただし、安定ヨウ素剤の服用は、その効果が服用の時期に大きく左右されること、また、副作用の可能性もあることから、医療関係者の指示を尊重して合理的かつ効果的な防護措置として実施すべきである。また、体制整備に際しては、関連法制度及び技術面等の最新の状況を反映するよう努めるとともに、以下のような点に留意する必要がある。
・服用の目的や効果とともに副作用や禁忌者等に関する注意点等については事前に周知する。
・地方公共団体は、原子力災害時の副作用の発生に備えて事前に周辺医療機関に受入の協力を依頼等するとともに、緊急時には服用した者の体調等を医師等が観察して必要な場合に緊急搬送が行うことできる等の医療体制の整備に努める。
また、平時から訓練等により配布・服用方法の実効性等を検証・評価し、改善に努める必要がある。

https://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/NRA/data/250607_03shiryo.pdf