緊急時被ばく線量 上限引き上げ案を決定

原子力発電所の事故など緊急時の作業員の被ばく線量の上限を、現在の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げることを盛り込んだ法令の改正案が、原子力規制委員会で正式に決定されました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故では、緊急時の上限の100ミリシーベルトを超えて被ばくする作業員が相次いで、急きょ、上限が一時250ミリシーベルトに引き上げられ、事故への備えが不十分だったと指摘されました。
これを踏まえて、原子力規制委員会は、緊急時の作業に当たる人の被ばく線量の上限を2段階に分け、これまでどおりの100ミリシーベルトを基本としながら、放射性物質が敷地外に放出されるおそれが高まった場合には、250ミリシーベルトに引き上げるとする法令の改正案を、5日正式に決定しました。
人事院も事故の収束作業を監督する国の保安検査官について、同様に法令を改正することを決めています。
新しい法令では、事前に健康への影響や被ばくを防ぐ対策の教育を受け、書面で同意した人だけを緊急時の作業に当たらせることができると定められたため、規制委員会は、来年4月の施行後、電力会社が事前の教育などを適切に行っているか検査することにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150806/k10010179731000.html