原発事故を受けて県が進めている子どもの甲状腺検査で、ことし9月に検査を受けた人のうち173人に他人の検査結果が誤って通知されたことがわかりました。
中には、詳細な検査の必要があるにもかからわず、検査の必要がないと通知されたケースが2件あり、福島県立医科大学では、関係者に謝罪することにしています。
検査結果の通知に誤りがあったのは、原発事故が起きた当時、18歳以下だったすべての子どもを対象に福島県が行っている甲状腺の検査のうち、超音波で行う1次検査の結果です。
県立医科大学によりますと、ことし9月中旬から下旬にかけて県内の7つの病院で1次検査を受けた人186人のうち173人について、他人の結果を誤って送ってしまったということです。
このうち2人は、甲状腺に一定の大きさのしこりなどがみつかり、本来は詳細な2次検査の必要があるにもかからわず、検査の必要はないという通知がされたということです。
誤ったそのほかのほとんどのケースは、2次検査の必要はないという結果では同じでした。
原因について、県立医科大学は、通知の発送に使う住所などを書いた一覧表を作成する際、担当者が誤った表を作り、その誤りに誰も気づかなかったためだとしています。
県立医科大学の放射線医学県民健康管理センターの阿部正文センター長は、「甲状腺検査に関して子どもや保護者の心配がある中、あってはならない誤りで深くおわびします。関係者には、直接謝罪をし、組織をあげて再発防止に取り組みたい」と話しました。11月07日 20時18分 NHK 福島