福島第一原発の作業員2万人を生涯調査…放影研

日米共同の研究機関・放射線影響研究所(放影研、広島・長崎両市)は4日、東京電力福島第一原発事故発生後の9か月間に、同原発内で作業にあたった約2万人全員を対象に、健康調査を生涯にわたって行うと発表した。厚生労働省によると、作業員全員を対象とする調査は初めてという。
同省は作業中の被曝ひばくが将来、健康に影響する可能性があり、継続的に調査する必要があると判断。研究機関を公募したところ、原爆被爆者の健康調査などを行う放影研が応じた。

放影研によると、調査は同省が保有する作業員らのリストに基づいて実施。各都道府県で病院の協力を得て数年おきに血液検査などを行い、がんや白血病の発症や心理的影響を調べる。

また、作業時の状況や従事時間などを聞き取り、被曝線量も推定する。採取した血液などは放影研で保管し、今後、何らかの疾病を発症した際、被曝の影響がないかなどを詳しく調べる。

同省は2011年3月14日から12月16日まで、事故を受けた緊急措置として作業員の被曝線量の限度を100ミリ・シーベルトから250ミリ・シーベルトに引き上げた。この期間中に作業をした東電や協力会社員のうち、174人が100ミリ・シーベルト以上の被曝をしたとされる。

2015年03月05日  The Yomiuri Shimbun

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20150305-OYO1T50020.html?from=tw