東京電力福島第1原発事故から3年以上が経過しても放射線に対する県民の不安が根強い現状を受け、県は本年度、県薬剤師会、県医師会、県歯科医師会と連携し、放射線や健康への影響に詳しい薬剤師や医師、歯科医師を養成する。団体ごとに研修を受けた会員が相談員となり、経営する薬局や医院などを放射線に関する相談の拠点とする。先行して準備を進めてきた県薬剤師会は10月にも相談業務を始め、各地で県民に気軽に放射線の不安や疑問に答える環境を整える。
放射線に対する県民不安の解消に向け、県や各市町村は講習会を開くなど行政主体の取り組みを進めてきた。ただ放射線に対する不安は個人差があるほか「行政の説明には懐疑的な住民も多く、正しい知識の浸透は十分でない」(県保健福祉部)のが現状だ。
薬局や医院、歯科医院は住民の日常生活に密接に関わっているため、県は「住民と信頼関係のある医師らが相談に応じることで、不安の解消が進む」とみる。薬局の利用者から相談が寄せられる例もあり、3団体は現場で即座に相談に応じることができる体制づくりを模索していた。
(2014年6月22日 福島民友ニュース)