県は31日、東京電力福島第1、第2原発の新たな事故に備え、両原発から30キロ圏にある13市町村の住民が避難するための原子力災害広域避難計画の改定内容を公表した。計画は震災前の2010(平成22)年の人口をベースに、13市町村の全人口約55万人が古里に戻った場合、新たな事故で約27万人が県内の他の46市町村に避難すると想定。県内の学校や体育館など具体的な避難所を初めて決め、1226施設を選んだ。
しかし、人口34万2800人の避難先の確保が課題となるいわき市は、茨城県に避難する市中央部、南部の約28万人について避難先の決定を先送りした。県は「茨城県側との調整を急ぐが、いつまでに決まるかは未定」としている。
地域ごとの避難者数と、受け入れ先の施設の大きさに応じて避難所を決めた。ただ、約55万人のうち、原発事故で避難を続けている住民がいることから、現時点で必要となるのは844施設となる。
避難ルートは高速道を含む360ルートを選び、改定前の約4倍に増やした。道路の被災状況や交通量、放射性物質の飛散に影響する風向きを考慮、複数のルートを確保するのが狙い。
計画は県のホームページに掲載。問い合わせは原子力安全対策課(電話024・521・7819)へ。
(2015年4月1日 福島民友ニュース)
http://www.minyu-net.com/news/news/0401/news8.html