県民健康調査の成果共有 福島医学会がシンポジウム

福島医学会は4日、福島市でシンポジウムを開き、学会員や医療関係者、市町村担当者ら約70人が県民健康調査の成果に理解を深めた。調査を行っている福島医大の担当者は、今後増加が懸念される脳卒中や心筋梗塞の発症数の把握の必要性を訴え、医療機関や市町村に協力を呼び掛けた。
調査で判明したことを広く共有しようと開催した。大平哲也疫学講座教授は、原発事故後に避難区域が設定された13市町村で、事故を境に住民の体重が増加したほか高血圧、糖尿病型、脂質異常、肝機能異常を抱える住民の割合が増えていることを説明。「脳卒中や心筋梗塞など循環器疾患の増加が懸念される。死亡データだけでなく、発症数を調べないといけない」と話し、発症数を把握するための「発症登録」に理解を求めた。
一方、鈴木悟甲状腺内分泌学講座教授は、104人にがんやがんの疑いが診断された甲状腺検査の結果について「現時点では甲状腺がんが原発事故後の影響で起こったとは考えにくい。ただ今後の見守りは必要と考える」と指摘した。
(2014年10月5日 福島民友ニュース)

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