730カ所から8000ベクレル超セシウム 県内のため池 県発表、全体の24・7%

県内に3730カ所あるため池のうち、県と農林水産省が2956カ所で水底の土壌(底質)と水質の放射性物質検査を実施したところ、24・7%に当たる730カ所の底質から指定廃棄物(1キロ当たり8000ベクレル超)に相当する放射性セシウムを検出した。県が24日、平成26年度の調査結果を発表した。8000ベクレル超の割合は前年度比で4・1ポイント減。国と県は新年度、営農再開に向け、底質の除去や拡散抑制などの対策を本格化させる。
調査は26年6月から27年2月にかけて実施した。国直轄で除染を行っている避難指示区域内での底質調査では307カ所のうち、55・4%に当たる170カ所で8000ベクレルを超え、前年度調査に比べ14・2ポイント上昇した。最小値は1キロ当たり13ベクレルで、最大値は双葉町の下深沢ため池で69万ベクレルだった。
避難指示区域外では2649カ所のうち、21・1%に当たる560カ所で8000ベクレル超となり、前年度比で6・4ポイント減少した。農水省の担当者はセシウムの自然減衰などで数値は低下傾向にあるとする一方で、「同じため池でも採取する場所や深さなどでばらつきがある」として詳細に分析して、効果的な除去方法を検討する。
水質の調査では、区域外2287カ所のうち、97・7%に当たる2234カ所で検出下限値未満だった。53カ所で検出したが、厚生労働省の通達による飲用水の管理目標値(1リットル当たり10ベクレル)を下回った。区域内では289カ所のうち、219カ所が検出下限値未満で、検出された70カ所は、ろ過後に管理目標値を下回った。

http://www.minpo.jp/news/detail/2015032521752