NOddIN × CSRP
【Between Arts and Science / 科学と芸術の狭間】
日時:2015年9月20日(日)13:00 ~ 【2日目はこちら/3日目はこちら】 English
場所:代々木オリンピックセンター 国際会議場
今日、科学は、過去に類を見ない規模で、政治と経済の場における権力の戦略としての役目を果たしている。遺伝子操作が施された種をめぐる政策、高性能ドローンによるテロ計画、砂糖や脂肪への依存を促す生化学的メカニズム、ハードウェアやソフトウェアに助長される金融投機およびゲーム理論による政治的・経済的施策の支援は、その中でもほんの一握りの例に過ぎない。幸いにも、実のならない種、砂糖、脂肪、脂質、ドローンや金融投機は公共圏で具現化されるために、社会的な批判に晒されることになるが、人間の行動および社会動態が政治や市場の恩恵を受けて数学モデル化されている事実は、いわば科学のおとり作戦とでも呼ぶべきかもしれない。このようなゲーム理論作戦は、完全に無益というわけではなく、それ自体が人類に直接的な害を与えはしないかもしれない。しかし、われわれが誰であり、何を信じ、何に希望を抱き、何を恐れるのかということが、このような作戦により感情から切り離され、時として皮肉に合理化されている状態というのは、重要人物グループ(権力者グループ?)が今日持つ世界観の痛ましさの一例かもしれない。完全な社会的組織化に合理的に取り組もうとする妄執と対立するのは、複雑性とは単に、人々が自らその複雑性を理解しようとする権利を与えられるという意味合いがあるという洞察である。その洞察を護るためにわれわれが必要としているのは、モデルでも公式でも数字でもなく、あの「4次元世界」により啓蒙される果敢さを携えた科学と経済と政治のみなのである。
※映画『A Journey into the Land of the Fourth Dimension』(コンセプト・監督:ガストン・メスケンス)メスケンス自身による背景説明より抜粋
コンセプト・ノート
知の統合 現代に続く科学的手続きを手に入れていく17世紀。近代の夜明け。宗教戦争を通して獲得した“新たな神の名”=“客観”。普遍的妥当性に至る手続きを獲得する過程で、芸術から切り離された自然哲学=科学。 19世紀から20世紀にかけて、芸術、科学は貴族=パトロンから独立したかのようにみえたが、芸術の独立性は市場に凌駕され、産業によってブーストされた科学技術は、科学から哲学を奪い、全体像は見失われた。科学、芸術、哲学の独立性は、経済、産業、政治、大衆と専門家の無知によって脅かされ、生命の脆弱さが露見するイマ。知の統合は必要な未来か。
1日目 参加作家・講師(順不同)
丹下紘希(映像・インスタレーション/NOddIN)/ 永幡幸司(サウンド・スケープ/福島大学)/ ショウダユキヒロ(映像/NOddIN)/ 谷一郎(映像/NOddIN)/ ブリス・セシル(コラージュ/CNRS)/ よしむらしゅういち(展示/NOddIN)/ 平井有太(モデレーター/有太マン)/ おしどりマコ・ケン(L.C.M. Press/展示ほか)/ グレン・カズマ(ダンサー)/ 渡邊晃一(美術家/福島大学)/ クリス・ユバーマン(映像)/ 506 / ガストン・メスケンス(哲学/M..E..T..A..S..P..E..C..T)/児玉龍彦(東京大学先端科学技術センター)/ 影浦峡(東京大学情報学府)/ Shing02(レクチャー/ラッパー)
1日目 展示
■渡邊晃一
《On An Earth @ FUKUSHIMA》 福島のマップ 90×120×60
《On An Earth of JAPAN》漆のひび割れ 直径180cmφ 高さ60cm
映画「黒と朱」12m
■おしどりケン
原子炉
■丹下紘希
真実テレビ1号
■ブリス・セシル
■よしむらしゅういち
センダイゲンパツ1ゴーキ
1日目 タイム・テーブル
13:00 ~13:30 |
開場 |
||||||||||||||||||||
13:30 ~13:40 |
ダンス・パフォーマンス |
||||||||||||||||||||
13:40 ~14:45 |
映像作品上映 |
||||||||||||||||||||
14:45 ~15:45 |
作品紹介/作家によるディスカッション (モデレーター;丹下紘希) |
||||||||||||||||||||
15:45 ~16:15 |
休憩 |
||||||||||||||||||||
16:15 ~17:45 |
レクチャー
|
||||||||||||||||||||
17:45~19:45 |
パネル・ディスカッション (モデレーター;平井有太) |