第5回 市民科学者国際会議
~東京電力福島第一原子力発電所事故の放射線被ばくによる
健康影響を科学的に究明し、防護と対策を実現するために~
日時:2015年9月22日(火・祝)9:30 ~ 【1日目はこちら/2日目はこちら】 English
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(国際交流棟 国際会議室)
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1
3日目 プログラム
9月22日(火・祝) セッション2.
セッション 2. 原発事故後の言葉、法、倫理 9:30~
共同座長: 影浦 峡 (東京大学 大学院学際情報学府)、清水修二(福島大学)
円卓会議: 原発事故後の言葉、法、倫理 14:30~
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名前 |
講演タイトル |
講演概要 |
スライド |
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オルガ・クチンスカヤ |
ベラルーシにおけるチェルノブイリ後の放射線防護基準の設定・再設定にかんする歴史的視点 |
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藍原寛子 |
誰が裁き、誰が許すのか 会話の境界を超える「起民(Upstanders)」たち |
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(1.6mb) |
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セシル・ブリス |
概念化からスローガンへ、科学が政治の道具になるとき -原子力災害に於ける移住政策の管理状況の変遷- |
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(3mb) |
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ガストン・メスケンス |
原発事故後の状況におけるリスク評価についての倫理的熟考 |
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(1.9mb) |
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吉村良一 |
福島原発事故賠償訴訟の課題-「自主避難者」の救済を中心に |
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(3mb) |
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髙嶌 英弘 |
市民による権力コントロールとそのための法制度 |
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(3mb) |
3日目 予定スケジュール
(スケジュールは大幅に変更になることもあります。また講演順序は入れ替わることもあります)
9:00 ~ |
開場 |
9:30 ~ |
セッション2: 原発事故後の言葉、法、倫理 |
14:30 ~ |
円卓会議: 原発事故後の言葉、法、倫理 |
~19:00 |
まとめ: 共同議長 セバスチャン・プフルークバイル、島薗進 |
オルガ・クーチンスカヤ
所属:ピッツバーグ大学
専門:科学・技術の社会学、リスクコミュニケーション
プロフィール
クーチンスカヤ博士は、ピッツバーグ大学コミュニケーション学部の助教授である。著書には「不可視化の政治学:チェルノブイリ後の放射線健康影響についての公衆の知識」(MITプレス、2014年)
ベラルーシにおけるチェルノブイリ後の放射線防護基準の設定・再設定にかんする歴史的視点
オルガ・クーチンスカヤ
講演概要
1986年のチェルノブイリ事故は、福島第一原発事故の影響を緩和するための多くの教訓を提供するとされている。この発表では、チェルノブイリ事故後のベラルーシでの放射線防護への取り組みの歴史的変化と、それに伴うチェルノブイリ事故の影響の認識の変動について考察する。ベラルーシにおける放射線防護への取り組みは、異なる政治的状況の下で何度か再定義された。そして毎回、認識された放射能汚染の範囲は、大きく縮小、または拡大した。この発表は、チェルノブイリ事故の影響の「不可視化の生産」、すなわち、放射能汚染とその健康影響を公衆の注目と科学研究の対象から外し、観察不能にしてしまう手法や状況について、結論を引き出すものである。
藍原 寛子
所属:Japan Perspective News 株式会社
専門:ジャーナリスト(ジャーナリズム、医療倫理、東日本大震災、福島県と原発震災、ジェンダーなど)
プロフィール
福島県福島市生まれ。
福島民友新聞社で取材記者兼デスクをした後、国会議員公設秘書(政策担当秘書有資格)を経て、フリーランスのジャーナリストとして、取材、原稿執筆、メディア出演、学会報告、講演などの活動をしている。2011年3月以降は東日本大震災の現地取材を中心に、インターネットのニュースチャンネル、ビデオニュースvideonews.com www.videonews.com 「福島報告」や、The Big Issue日本版の「レポート 被災地から」、日経ビジネスオンライン「フクシマの視点」http://business.nikkeibp.co.jp/ などでレポートした。専門は医療、人権、災害、社会情勢、ジェンダー。米国マイアミ大学メディカルスクール留学・客員研究員(フルブライター)、フィリピン大学社会科学部哲学科客員研究員、アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員として留学、米国の臓器移植、フィリピンの臓器売買を取材した。オーストリアカプルンでのケーブルカー火災事故、ハリケーンカトリーナ、ルワンダ虐殺、米スリーマイルアイランド原発事故、マーシャル諸島原水爆実験被ばく取材など海外取材多数。Disaster Management and Resiliency in the Asia Pacific Journalism Fellow、東京大学医療政策人材養成講座4期生、日本医学ジャーナリスト協会員。
誰が裁き、誰が許すのか
会話の境界を超える「起民(Upstanders)」たち
藍原 寛子
講演概要
被ばくを巡る法と倫理―フレームとしての倫理
現代の医療倫理-人体実験の歴史の反省:ホロコースト(ナチスの医師による人体実験)、731部隊(日本の関東軍医師による人体実験)
プルトニウム注射の人体実験(米国、50年間18人に注射)
原爆投下後の健康調査、ABCC、被爆者の組織検体採取
年間9万8,000人が医療ミスで死亡する米国社会
ナチスのニュルンベルク裁判―人体実験を防ぐガイドラインづくりに貢献、しかし日本では人体実験があいまいに→731部隊の系譜
「私の体、私の健康に責任を持つのは、誰であろう私自身である。その痛みも苦しみも、医師が肩代わりすることができないのだから」→医療の主人公は患者
『人は誰でも間違える』(IOM/ Institute of Medicine著、米国1999年、日本医学ジャーナリスト協会翻訳、2000年日本で発行)の先にあるもの (“To err is human, to forgive, divine.” 過ちを犯すのが人間、許すのが神、アレキサンダー・ポープ、18世紀英国の詩人)
医療倫理:強いパターナリズムとインフォームド・コンセント
IOM「人は誰でも間違える」―「許すのは神」
医療の発展段階―医師と患者の知識と体験、経験の相互共有(集合知、経験知)
医師のパターナリズム(緊急時、例外的に認められる)、医師個人の記憶や経験・体験(裁量)で対応、医師の裁量が強い段階→患者(市民)の非公式な参加→(それでもまだ医師の裁量が強く、患者は受動的に治療受け入れ)→患者(市民)の公式な参加→医師の裁量の更新・アップデートが求められる段階→最新の情報、エビデンスの共有と導入→患者(市民)が中心となった治療選択(最後の段階が理想的とする)
戦時中の治療―強いパターナリズムを容認、人体実験を隠蔽→強いパターナリズムが発揮される状況で問題が容易に発生(戦争、災害、紛争、混乱)
インフォームド・コンセント:医師が説明し、患者に同意を求め、患者が同意書にサインして治療するだけではない。インフォームド・コンセント(同意)から、インフォームド・チョイス(選択)、インフォームド・コンセント・アンド・メイキング・ディシジョン(同意と決定)
十分な情報共有と議論の場は必須
時代を超え、国を超えた被ばく住民の声
飯舘村議の発言「モルモットにされている」―参加や同意なき政策、調査
「安全」「安心」の下での「医療ショックドクトリン」の展開
GPS自動情報収集機能付き個人線量計とビッグデータへの組み込み。エコチル調査、ゲノム調査
「安全」の結論ありきの調査、では「安心」は?
マーシャル諸島でも起きた人体実験―健康調査の不利益
プロジェクト4.1、放射性クロム注射
繰り返される治療なき健康調査
決定の主体者としての機会を奪われた市民-「棄民」、市民サイドでの議論アリーナの必要性、声を上げる人々(起民 Upstanders)
「私たちが自信をもって、未来を語れる『ことば』。この『ことば』こそが、原発事故後の日本の新たな法体系の要となるはずです」
Never Pureと原発事故後の「専門家」たち-不可視化のメタファー
福島市で開かれたガラスバッジの説明会―放射能の”Political”な要素
Q. 「日本では、最近どれぐらいの人ががんになっているでしょうか?」
A. ①10人に1人 ②5人に1人 ③2人に1人
「政治性」と「イデオロギー」、「科学的」と「中立的」の間―専門・研究領域を超える「専門家」も専門家?再定義なき被ばく医療の「専門家」
軽視される住民の集合知と経験知・体験知
明示されない利益相反、利害関係、政策決定過程
福島県民健康調査のデータは誰のものか、鈴木眞一氏と論文データ―誰が許可・決定したか。回答率3割弱・主体なき健康調査の裏側
キッズキャンサーセミナー 「福島でこそ日本一のがん教育が必要だ!」
声を上げた棄民は「起民(Upstanders)」へ、その声を聞く-人はいつ「ヒバクシャ」になるのか、被ばくの「戦時」と「平時」
「これは戦争状態だ」-ガイガー・フクシマの開発者(2012年)
住民の声の政治的矮小化―実は「○○ならば帰りたい」「帰れるならば帰りたいが…(帰れはしない)」も一緒にされる
「Lie , Deny, Classify」(嘘をつき、否定し、機密扱いにする)被ばくネグレクトの構図-マーシャル諸島トニー・デブルム外相
裁くのは誰?許すのは誰?―見えない領域から、地球市民フクシマの視点へ
「お守り言葉」「見えない領域」「会話の境界」を生むメタファーとしての「復興」「風評被害」
「美」の中に隠される被ばくと人々の怒り:「殉教者」永井隆とクリスチャン山下俊一―「美しい日本」と「うつくしま、ふくしま。」
人権、被ばく、核問題―世界市民、地球市民としてのフクシマの視点
(Bio)ethics from below―求められる「下からの(生命)倫理」
セシル・ブリス
所属:フランス国立科学研究センター(CNRS)
専門:都市社会学
プロフィール
フランス国立科学研究センター(CNRS)北アジア代表事務所の副所長。都市社会学博士。フランス国立社会科学高等研究院(Ecole des Hautes Etudes en Sciences Sociales EHESS, パリ)卒業。リール第一大学社会学・経済学研究所(Clersé)および日仏会館客員研究員。二〇〇一年より日本在住。研究テーマは:(公共)住宅政策論。福島原発事故の移住政策の管理について多くの論文を執筆し、日仏において同テーマに関する多くのシンポジウムの発表者および主催者を務める。
概念化からスローガンへ、科学が政治の道具になるとき -原子力災害に於ける移住政策の管理状況の変遷-
セシル・ブリス
講演概要
世界規模の影響を与えた三つの原発事故を巡り、世間で脅威、またはリスクについて語られている間にも、危機は既に昨日、今日、明日の現実となっている。既成の政治体制は、強制的に帰還させることで、人々を危機に晒している。一部の人々はまた、被害者にも責任を負う義務があるという口実で«救済をもたらす災害»が必要であると訴えている。原子力時代は、政治経済的な言説に操作された自己破壊の渦に我々を引きずり込み、産業と結びついた科学もまた、利得に依存し、現在の帰還政策に服従している。
ガストン・メスケンス
所属:ゲント大学倫理・価値研究センター(ベルギー)
ベルギー原子力研究センター(SCK•CEN)科学・技術研究ユニット
専門:倫理、人権、グローバル・ガバナンス、技術評価
プロフィール
哲学者、芸術家。理論物理学修士および原子物理学修士(ともにベルギーのゲント大学)。現在、ゲント大学文学・哲学部の倫理・価値研究センターおよびベルギー原子力研究センター(SCK•CEN)の科学・技術研究グループに非常勤で勤務。倫理・価値研究センターの研究(倫理晢学博士号研究として)では、現在進行中の地球規模のガバナンス政策プロセスという文脈の中での知識と政策間のインタフェースの作用の批判的分析を進めており、地球規模の持続可能な開発のガバナンスのための知的能力育成に関連する、人権という一つの視点に焦点を置いている。1999年、哲学の研究と行動主義を現実の事例に適用するべく動機づけられ、SCK•CENにて「社会的側面を原子力研究に統合するプログラム」を共同設立した。このプログラムでは、リスクが内在する技術の評価の複雑さを、社会的公正および持続可能な開発という視点から批判的に研究するために、原子力技術を事例にとっている。SCK•CENでのガストン・メスケンスの現在の業務内容は、研究者、執筆者、講義者、および、科学・教育・民主的意志決定に関する倫理についての対話の橋渡し役である。「哲学の行動主義」にはある種のメタ・リフレクション (異なる見解の考察)が必要であるという考えに基づき、ガストン・メスケンスは自身の哲学研究と平行して芸術活動を展開してきた。この「研究としての芸術」の実践は、「近代的なるものからくる束縛によっていまだ足掻き続ける世界」において、社会的作用とヒューマニズムが何を意味しうるのかという疑問から出発している。実際には、この芸術は、「イデオロギー上の対立、政治的孤立、社会的な擬似寛容という快適さを超越した、新しいヒューマニズム」の研究に従事する仮説上の研究所の存在と機能を提案するものである。そして、これは、あらゆる芸術様式(ウェブでの存在、テキスト、視覚的素材、音楽やサウンドスケープ、インスタレーション、パフォーマンス、ハプニング)により可能となるのである。
原発事故後の状況におけるリスク評価についての倫理的熟考
ガストン・メスケンス
講演概要
原子力事故の被害者は市民である。事故の前、市民は原子力について、賛成なり反対なりの意見を持っていた。事故の後、市民は意見を変えたかもしれないし、変えなかったかもしれない。事故の前、市民には、原子力エネルギーの利用や発電所の設置場所についての共同決定する機会があったのかもしれないし、なかったのかもしれない。
このプレゼンテーションは、事故後の状況の倫理的側面からの評価を、原子力利用のリスクがそもそもどのように正当化されていたのかという倫理的な考慮から切り離すことができない点についての議論である。さらに、これもまた事故後の状況においてであるが、知識面での不確実さや複数の価値観により、リスク評価が依然として複雑なままである。このように、リスク評価の倫理というのは、事故前の状況と同じままなのである。一つの結論は、原子力事故の被害者には、市民として、事故前と同様に、事故後の意志決定に参加する権利があるということである。
このプレゼンテーションでは、哲学的視点から、また、事故後の状況が既に存在するという現実に考慮しつつ、これらの熟考を練り、明らかにしていく。さらに、事故後の具体的な倫理的事例2つを批判的に分析することにより、リスク評価の複雑さとその結果を社会的公正の視点から描写する。
吉村 良一
所属:立命館大学法科大学院
専門:民法・環境法
プロフィール
1974年京都大学法学部卒業
1987年立命館大学法学部教授
1992年博士(法学・立命館大学)
2008年立命館大学法科大学院教授
主著 人身損害賠償の研究(1990年、日本評論社),環境法の現代的課題(2011年、有斐閣)、福島原発事故賠償の研究(2015年、日本評論社)(共編著)
福島原発事故賠償訴訟の課題-「自主避難者」の救済を中心に
吉村 良一
講演概要
福島原発事故に対する損害賠償を求める裁判が多数、提訴されている。その中で、深刻な問題となって いるのは、政府指示によらない避難者(いわゆる「自主避難者」。しかし、これらの人々も好き好んで避難したわけではなく、事故により避難を強いられたのであり、むしろ「区域外避難者」と呼ぶべき)に対する救済の問題である。
原発事故は、放射線被曝という目に見えない被害をもたらすものであるため、住民は、被曝を避けるために避難するか、とどまって曝露されるかという、極めて深刻な判断を余儀なくされた。原発事故子ども被災者支援法は、避難する権利、ととどまる権利、あるいは帰還する権利を等しく保障し、被災者の真の意味での自己決定が可能となるようにすべきとの理念をうたったが、それは、これまでのところ、絵に描いた餅にとどまり、避難指示の解除や賠償の打切りといった動きが急になっている。政府指示により避難した人も、指示解除後になお避難を継続しようとすれば、「自主避難者」になってしまうわけであり、「自主避難者」の補償をどう考えるかは、この事故の本質にかかわっている。
報告では、事故後、4年数カ月を経過して、避難者らがどのような状況におかれているかを概観した上で、「自主避難者」に対する補償について、原子力損害賠償紛争審査会でどのような議論がなされたかを手がかりに、予防原則に立ってこの問題を考えるべきことを主張したい(なお、この問題について、さしあたり、吉村良一「『自主的避難者(区域外避難者)』と『滞在者』の損害」吉村他編・福島原発事故賠償の研究210頁以下参照)。
高嶌 英弘
所属:京都産業大学 法務研究科
専門:民法、医事法、消費者法
プロフィール
京都の大学で民事法を研究するとともに、適格消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」理事長として企業の不当な契約条項を訴訟によって差し止める活動を行っています。
市民による権力コントロールとそのための法制度
高嶌 英弘
講演概要:
現代社会においては、国、企業、専門家集団等に対し、市民が一定のコントロールを及ぼす必要性が増大している。本講演においては、市民によるこの種のコントロールを一部実現している法制度(消費者契約法に基づく差止め、地方自治法に基づく住民訴訟など)を素材として、市民による権力コントロールの必然性を明らかにしつつ、あるべき法制度の創設に向けた検討を行う。
影浦 峡
所属:東京大学·大学院学際情報学府
専門:情報学
プロフィール
1986年東京大学教育学部卒業,学術情報センター助手、国立情報学研究所助教授等を経て、現職。PhD(マンチェスター大学,1993年)。専門は言語とメディア、翻訳支援。著書にThe Dynamics of Terminology (Amsterdam: John Benjamins, 2002),『子どもと話す 言葉ってなに?』(現代企画室,2006),『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く:社会情報リテラシー実践講座』(現代企画室,2011),The Quantitative Analysis of the Dynamnics and Structure of Terminologies (Amsterdam: John Benjamins, 2012)、『信頼の条件:原発事故をめぐる言葉』(岩波, 2013)など。オンラインの翻訳支援サイト「みんなの翻訳」(http://trans-aid.jp/)を運用している。
清水 修二
所属:福島大学経済経営学類
専門:財政学
プロフィール
1948年東京都生まれ。京都大学大学院を経て1980年から福島大学に在職。経済学部長、副学長を務めて2014年に定年退職したのちは特任教授。専攻は財政学・地方財政論。電源三法制度の研究を通じて原発問題に関わり、福島原発の事故後はその被害の実態や倫理・社会的諸問題を福島県内から訴え続けている。日本科学者会議原子力問題研究委員、福島県県民健康調査検討委員会座長代行。著書『原発とは結局なんだったのか-今福島で生きる意味』(東京新聞2012年)ほか。
セバスチャン・ プフルークバイル
所属:ドイツ放射線防護協会会長
専門:物理学
プロフィール
物理学博士。1947年生まれ。ドイツ放射線防護協会会長。ボンにあるオットー・フーク放射線研究所所員、欧州放射線リスク委員会(ECRR)理事。チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故を分析する多くのプロジェクトに参加するほか、事故周辺地域の子どもたちのリハビリ支援活動に参加。1990年、ベルリンで市民団体「チェルノブイリの子どもたち」を設立し。長年、ドイツ·チェルノブイリ支援協会(ミュンヒェン)の理事を務めていた。1989年に東独の民主化運動で最初に設立された市民団体「ノイエス·フォールム」の共同設立者のひとり。ベルリンの壁崩壊後のハンス・モドロウ政権で、何ヶ月にもわたって大臣を務め、東独のエネルギー政策改革と原子力発電所の全面閉鎖に向けた作業を担当した。1990〜1995年、ベルリン市議会でノイエス·フォールム選出の議員を務めた。
www.strahlenschutz-gesellschaft.de
島薗 進
所属:上智大学(神学部、グリーフケア研究所)、東京大学名誉教授
専門:宗教学·死生学·生命倫理学
プロフィール
最終学歴:東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
職歴:筑波大学哲学思想学系研究員、東京外国語大学助手·助教授を経て、東京大学文学部(大学院人文社会系研究科)宗教学宗教史学科教授。カリフォルニア大学バークレイ校留学(1984-85年)。1996年、シカゴ大学客員教授、1997年フランス社会科学高等研究院(Ecole des Hautes Etudes en Science Sociales)招聘教授、2000年、チュービンゲン大学の客員教授、2006年、カイロ大学客員教授、2010年カリフォルニア大学バークレー校フェルスター講義、2011年ベネチア·カフォスカリ大学客員教授。
主要著作:『現代救済宗教論』(青弓社、1992)、『精神世界のゆくえ』(東京堂出版、1996、秋山書店、2007)、『現代宗教の可能性』(岩波書店、1997)、『時代のなかの新宗教』(弘文堂、1999)、『ポストモダンの新宗教』(東京堂出版、2001)、『〈癒す知〉の系譜』(吉川弘文館、2003)、From Salvation to Spirituality (Trans Pacific Press, 2004)、『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社、2006)、『宗教学キーワード』(共編著、2006)、『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店、2007)、『宗教学の名著30』(筑摩書房、2008)、『国家神道と日本人』(岩波書店、2010)『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)
ホームページURL: http://shimazono.spinavi.net/